2010年 全日本CW王座決定戦参加記 (11月14日12時〜16時開催)


「月イチ無線」第6弾、今月はJAPAN INTERNATIONAL DX CONTESTとCQ WW DX Contestという大きなコンテストがあるのに、実家の設備と限られた参加時間では、あまり楽しめないだろう、ということで、もっとお手軽に楽しめる(と思われた)全日本CW王座決定戦に参加してみました。4時間という開催時間ですが、前回同様、参加時間を分割しました。結果的には、2.5時間弱の参加となりましたが、予想以上に楽しめました。今回も、過去の参加実績から、目標スコアを設定してみました。<準備段階からの軌跡>の10月22日に書いてあります。

<準備段階からの軌跡>

10月10日(日)
全市全郡コンテストで使用したソニーのAVセレクタを、オーディオテクニカのAVセレクタ(AT-SL33AV)と交換し、アパートに持ち帰ってみる。

10月11日(月)
妻が「来月の無線は?」というので、JAPAN INTERNATIONAL DX CONTESTとCQ WW DX Contestどっちにするか考え中、と回答。
持ち帰ったオーディオテクニカのAVセレクタを開けてみる。オーディオラインのホットとGNDの間に抵抗が入っている。気にはなるが、GNDラインを使用していないので、そのまま使っても大丈夫だと思われる。ちなみに、そういう意味では、いちいち開けなくても、導通チェックのみで良かった。でも、開けてみたいのがサガ。なお、今回持ち帰ったのは、3入力1出力のセレクタ、全市全郡コンテストで、HF/50MHzを同軸切り替え器でアンテナ切替するのが面倒だったので、いっそのこと、リグを1台増やそうと思っている都合上、4入力のセレクタが必要。もう1つ実家にあるセレクタは、ボタン式で4入力なので、いずれそれと交換予定。

10月12日(火)
何気に11月開催予定のコンテストを見ていたら、「全日本CW王座決定戦」なんていう面白いコンテストを発見。開催時間も4時間とお手頃。7MHzシングルのみというのはちと寂しいが、たまにはバンドを欲張らないコンテストに参加してみるのも良いかも。ちなみに、JAPAN INTERNATIONAL DX CONTESTは、過去にスプリント部門というのがあったらしい。これが廃止されていなければ、参加する気持ちがちょっと傾いていたかも。

10月22日(金)
目標スコアを設定するため、過去の結果を調査。最初、自分が以前に参加した記憶が全くなかったので、主催者のウェブサイト上の他局の結果から設定しようと思っていたが、よくよく確認したら、2002年に参加していた。ここから、今回の目標を設定することにする。
16:04〜18:59(内1時間抜けているため2時間の参加) APA-4での参加
今回はフルサイズIVであることを考慮に入れる必要がある?
運用地・アンテナの設置条件的にはどうか? (仙台のアパート3階 vs 岐阜の地上高約7m)
時間的には、150%
64×1.5=96
120×1.5=180
36×1.5=54
180×54×13=126,360
アンテナや運用地などのパラメータは、検討が面倒なので、これを目標スコアに設定してみる。

10月23日(土)
実家に行って、ちょっと準備。ストレートキーがそのままリグに接続できるかどうか、確認。FT-1000MP MARK-Vは、モノラルプラグのままでは使えない(半挿しにして使う、という荒業もあるが)。FT-2000Mは、説明書にはステレオプラグで接続、とあるが、実際に挿してみると、モノラルプラグのままでも使えた。今後、HFローバンドはFT-1000MP VARK-Vを使おうと思っているので、今度のコンテストもこれを使う予定、モノラル→ステレオ変換を作るとするか。あとは、AVセレクタ関係。全市全郡コンテストで使用した、つまみを回して切り替えるタイプのものと、自分の部屋にあるボタン式のものを交換。S端子付きのセレクタだった。とりあえず開けてみる。ボタンの戻りが悪かったので、押されていることを表示する部分を千切り取り、少しはスムーズに動くようにした。回路を見てみると、ビデオラインに抵抗が入っているようだが、どう繋がっているのかがイマイチわからない。以前、パドルも切り替えられるよう、ビデオラインも使おうと思っていたが、キーヤーが利用可能になった今、それにこだわる必要がないような気もするので、オーディオラインのみ、使えば良い。そうしたら、全市全郡コンテストで作ったケーブルが、そのまま使える。しかも、RCA+S端子の出力に並列にステレオジャックがついているので、プラグを加工して、ストレートキーをここに接続することも可能(あまり意味はないが)。ちなみに、開けて導通チェックをするまで、S端子でビデオラインもオーディオラインも両方持っているものだと勝手に思い込んでいた。恥ずかしい。

10月24日(日)
たまたま空いた時間があったので、ヘッドフォンセレクタの改造を試みる。回路構成をあまり真面目に考えず、とりあえずばらしたのが失敗。スイッチ類とケーブルを切り離してから、接続を考え出したが、どうも思い通りにならない。頭を悩ましていると、昼ごはんの時間になり、中断、食べていると、寝ていた子どもが目を覚まし、セレクタの改造はできなくなった。今度のコンテストは、リグ1台ないし2台の予定(この時は、まだJAPAN INTERNATIONAL DX CONTESTにも参加しようと目論んでいた)なので、セレクタがなくても大丈夫、12月までに完成していればOK。時間をみて、作業しようと思う。

10月27日(水)
ヘッドフォンセレクタの回路構成を一応考えてみた。1段2回路4接点のロータリースイッチ1個と、2回路2接点のスライドスイッチ2個で、メイン2台・サブ2台の計4台のリグの音(メインのリグは、それぞれVFO A/BをL/Rに振り分けて出力できるはずなので、切替は基本ステレオ、ただしサブ2台はLのみ使用)を効率よく切り替えようと考えた時、自分では考え得る最良の構成だと思うところに落ち着いた。あとは、工作の時間をいかに確保するかが課題。

11月7日(日)
ストレートキーをFT-1000MP MARK-Vに接続するための変換ケーブル作成。有りモノベースで作ったので、ジャックがステレオ、プラグもステレオ、というもったいない構造。あと、ヘッドフォンセレクタの製作に少しだけ着手。

11月9日(火)
CTESTWINの設定。コンテスト定義を「全日本CW王座決定戦」、周波数モードボタン設定を「7MHz CW」のみ、送信ナンバセットを「88S」、コンテスト終了時刻設定を「2010/11/14 16:00」、点数セットで目標点数を「126,360」、係数を「13」。試しに、2002年のデータを最初の方だけ入力、正しく点数計算していることを確認。ヘルプの機能説明のリグコントロールの内容をざっと読んでみる。COMポートの制御だけのようだが、以前、JN2AMD局から購入したUSB経由のインターフェイスは使えないものか。

11月10日(水)
JN2AMD局のウェブサイト確認、多分購入したものと思われるものの説明を読んでみたら、やはりUSB-RS232C変換をしているようで、CTESTWINでも使える可能性が出てきた。対応リグに、FT-2000Mが書いてないが、FT-2000Mの説明書を見ると、FT-1000MP MARK-Vと同じ配線でいけそうな気がする。時間がある時にでも、試してみたい。

11月13日(土)
実家へ移動する直前、家捜し、リグコントロールI/F発見。やはりウェブで確認したものだった。使わないと思うが、一応持って、実家へ。

コンテスト当日
ストレートキーをFT-1000MP MARK-Vに接続するための変換ケーブル、せっかく作ったのに持ってくるのを忘れたので、アパートに取りに帰る。コンテスト開始1時間前くらいから、ぼちぼち準備。7MHzシングルバンドでの参加、せっかくなので、アンテナの調子を見てみる。クランクアップタワーを一番下まで下げると、トライバンダーのリフレクタと7MHzの逆Vが、1mくらいしか離れていない。この状態と、タワーをフルアップした状態で、当然影響の度合が違うだろうとの憶測から、MFJ-259Bで2つの状態を測定してみた。結果は、どちらも7.14MHzあたりでSWRが一番低くなっている(約1.4)。近接導体の影響は、余り受けないのだろうか。ただし、微妙にRとXの値が違う(Full down:R=42 X=16、Full up:R=38 X=13)。また、メータのIMPEADANCEがおおよそ50 ohmsになるのは、と探すと、7.002MHzだった(SWR=1.6 R=44 X=24)。結局、どの状態が良いのかわからず、タワーをフルアップのまま逆Vを使うことにした。アパートから持ってきた変換ケーブルを接続し、ストレートキーで打電、大丈夫のようだ。PCを起動し、CTESTWINと、念のため、Hamlogを起動。ヘッドフォンをリグに接続し、周波数とモードを設定、準備OK。

<使用設備>

・Rig…YAESU FT-1000MP MARK-V
・Ant…7mh Inv. Vee(コメット[CWA-7])
・電源…YAESU FP-29
・ストレートキー…HIMOUND ELECTRO CO., TYPE HK-8(防衛庁規格 NKY-4)
・PC…東芝 dynabook SS SX/190NR
・ロギングソフト…CTESTWIN(Ver. 3.57)
・ヘッドフォン…サンワサプライ[MM-HS202]

<時間経過に沿った雑感>

開始直前
下のバンドエッジで、とりあえず受信、結構混信が気になるので、リグのAPF(240)をONにしてみる。かなり聞きやすくなった。

開始
まずはS&P、良い滑り出し。

12時8分
仙台にいる頃、お世話になった局と交信。

〜12時20分頃
8エリアの局とも交信でき、割と全国的に開けているような気がする。

12時22分〜
割と混信の少ない周波数発見、7.02105MHzにてCQを出す。1分1局ペースくらいで交信できているようだ。途中、「TEST」の打電が怪しくなる。最後の「T」が短点になってしまう。自分のコールサインは、多少早く割りとまともに打てるのだが、他の符号になると、とたんに頭がこんがらがり、キーを打つ手がおかしくなる。

13時22分頃
CQを出し始めてから、約1時間で昼食QRX。この間、1局だけ重複して呼んできた。コンテスト常連の局だったので、あれあれ〜?という感じだった。

15時2分頃
昼食と、子どもの離乳食・授乳を済ませ(離乳食は、どうにもうまく食べさせることができず、途中から妻にお願いした)、コンテストに復帰。

〜15時9分頃
さっきCQを出していた周波数から、7.030MHzまでS&P終了。その後、再度、7.010MHzからS&P、思ったより交信済みの局が少ない。

15時22分
仙台にいる頃、お世話になった局と交信。

15時44分〜コンテスト終了
S&P中に、割と混信の少ない周波数発見、7.02696MHzにてCQを出す。ボチボチ呼ばれ、終了間際まで楽しめた。

<総括>

<準備段階からの軌跡>の10月22日に書いた目標スコア「126,360」には、到底及ばず、58.0%の達成率でした。実はこの目標スコア、最初、酷い勘違いをしていて、参考にした過去の結果を4時間フル参加していたと思い込み、もっと低いスコアを目標としていました。そのままコンテストに突入し、あっという間に目標達成して、喜んでいました。最終的には、200%以上の達成率になり、意外とやるじゃん、オレ、とか思っていました。で、この参加記を書くにあたって、念のため、過去の結果を見直すと、なんと参加時間が2時間でした。改めて目標スコアを設定し直してみると、全然達成できていませんでした。今後は、もっと確認をして、目標を設定したいです。なお、設定した目標スコアは、3時間参加した場合のものですが、これをたとえ2.5時間にしたところで、やっぱり達成はできていません。根本的に、目標スコアの設定方法を見直す必要があるような気がします。局数・マルチ共に、時間が経過すればするほど頭落ちするでしょうし、局数よりも上限が圧倒的に少ないマルチに関しては、コンテスト終了間際にはほとんどNewが取れません。今回のコンテストを例にとると、局数は、大体時間比率でOKのような気がします(2002年 2時間で64局、今回 2.5時間で84局、時間比率から算出した局数は80局)。問題はマルチです。2002年は36マルチ、今回は40マルチでした。時間比率から算出したマルチは45マルチとなり、5マルチも少ないです。今回のような、最後に大きな係数がかかるコンテストでは、この5マルチは大きいです(例えば、今回、総得点は73,320でしたが、マルチが5増えるだけで、82,485点になります)。そもそも、今回のコンテストのマルチの上限は、と考えると、太平洋戦争会戦で禁止されていた私設実験局の運用が再開された1952年を「CW運用可能となった従事者免許年」の最初と仮定すると、今年(2010年)までで、59マルチ。CW運用可能となる従事者免許が全く発行されなかった年は、おそらくないと思われますが、その中で、どの程度の局がこのコンテストに参加しているかが問題です。年によって、免許発行数に波があるでしょうし、発行数が多い年でも、その年免許を受けた局がこのコンテストに参加するとも限りません。結局、過去の結果からマルチの統計をとってみるしかないようなので、今回と2002年の結果を参考に分析してみます。まず、今回と2002年で、どちらかあるいは両方でとれたマルチの数は50でした。傾向としては、70年代と80年代は、どちらも大体とれています。面白いのは、どちらも83がとれていないことです。合計したものを見ると、60年代から90年代まで大体とれているので、その時の運なのでしょう。ちなみに、1952年を最初と仮定したのに、2002年には、51がとれています。いきなり仮定が崩れています(hi)。まぁ、それはさておき、一応、両方でとれたマルチ50を、4時間フル参加でとれ得る上限と仮定し、2002年の2時間 36マルチ、今回の2.5時間 40マルチの割合を計算してみます。2002年は72%、今回は80%です。参考までに、時間の割合は、2002年は50%、今回は62.5%です。そうそう、本当(と仮定した)の上限と、2回のコンテストの結果から算出したとれ得る上限の割合は約84%。他のコンテストに当てはまるかどうか分かりませんが、とりあえずこの数字を使って、今後は目標スコアを設定してみたいと思います。
・その他、細かな点など...
目標スコアのことをごちゃごちゃ上に書きましたが、なんだかんだいって73,320点とれています。去年の結果に照らし合わせてみると、30位くらいではないか、と予想していますが…。
参加周波数について、今回は、規約上、シングルバンドでの参加でした。ただ、マルチバンドでの参加が可能なコンテストの場合でも、3時間という参加時間を考えると、ある程度周波数を限定したほうが楽しめるような気がします。今のところ、自分なりのコンテストの楽しみ方は「短時間で沢山の局と交信できる」なので、無理してマルチ取得のために、閑古鳥が鳴いているバンドをS&Pする必要もない気がします。しかしながら、コンテストに必要な小物作りも、楽しい部分ではあるんですよねぇ。その小物たちは、大体マルチバンド用の物なんですよねぇ(hi)。
マルチについて、自分の関係する年の局と交信できると、何だか嬉しくなります。自分が生まれた年に免許をとった局、自分と同じ年に免許をとった局、2002年もそうでしたが、今回も、何局かそんな方と交信できました。

最後に、交信していただいた局、コンテストを開催していただいている主催者、各氏に感謝いたします。ありがとうございます。そして、いつも運用場所等を快く提供してくれている父、何かと協力してくれている妻と息子に、この場を借りて感謝します。ありがとう。


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